糖尿病

SPIDDMが治った症例

今回はSPIDDMが治った症例について。

 

SPIDDMについて

 

SPIDDMはザックリ言うと、「今は2型糖尿病の状態だけど将来的に1型になりそうだよ」というものです。

 

SPIDDMは、従来型の食事療法と治療では実際に1型糖尿病になり自分の膵臓からはインスリンが出なくなり、インスリンを打っていないと死んでしまう状態になります。

 

そして、1型糖尿病になり膵臓のβ細胞がなくなるとともにGAD抗体も陰性化するというのが従来型の流れです。

今まではSPIDDMになったら必ず1型糖尿病になる的な感じで思われていました。

ですので、通常の専門医外来を受診するとSPIDDMな時点で
「そのうち1型になるから今のうちからインスリンを打っておきましょう」
とほぼ100%、速攻でインスリン導入を強く勧められます。

例えインスリンを自分の膵臓から出せている段階でも、インスリン注射の導入を断ると「死にますよ!」と言われます。

 

今回提示する症例は真逆

 

今回は逆に膵臓のβ細胞が死滅してGAD抗体が陰性化するのではなく、糖尿病が改善してGAD抗体が陰性化する症例です。

 

これはSPIDDMは、通常の2型糖尿病へ改善することは可能な事もあるよ、という事を示す症例です。

 

では、症例です。

 

初診時に採血してGAD抗体が1.8と陽性。(基準値 1.5未満)

この時は私も「従来型」の治療でしたので
ジャヌビア(糖尿病薬)、
クレストール(スタチン=コレステロール低下薬)、
ゼチーア(コレステロール低下薬)、
ロトリガ(DHAとEPAの製剤=血液サラサラ)、
レザルタス(降圧剤)
を処方。

HbA1cは7%前後で経過。

で、受診開始8ヶ月後より糖質オフの指導開始。

受診開始9ヶ月後にGAD抗体を再検

この時はまだ糖質オフを少し開始(1〜2食は主食抜き)した程度。

で、GAD抗体の結果はGAD抗体 3.2に上昇!(前回 1.8)

がっつり上がっています!!

つまり、従来型の治療ではSPIDDMがどんどん進むというのが分かるかと思います。

 

糖質オフ開始

 

糖質オフの食事が徹底し、受診開始1年6ヶ月後よりインスリン・オフ治療開始。

この頃にはHbA1cは5〜6%程度。

具体的にはオングリザ5mgのみになっていたのをメタクトHDとルセフィ2.5mgへ変更。

そしてインスリン・オフ治療と糖質オフで経過し、HbA1cは5台半ばで安定。

 

受診開始より2年10ヶ月後、久々にGAD抗体を再検したところ

なんと陰性

この頃には内服はカナグルのみ
(カナグルはSGLT2阻害薬という糖尿病薬)

体重は初診時より8kg減少。

さらには、降圧剤もコレステロール薬も終了済み。

カナグル1剤のみ。

 

この症例では従来型治療で一旦はGAD抗体が増加しましたが、糖質オフを開始し糖尿病が改善。

さらにインスリン・オフ治療に切り替えついにGAD抗体が陰性化したというドラマティックな流れがありました。

他にもHbA1cが改善しつつ、GAD抗体の陰性化をみた症例があります。

という事で、SPIDDMは治る、という症例についてでした。

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