タンパク質と鉄で症状消失した症例。
初診日
アラウンド40歳な女性。
尿試験紙で血糖値高めで糖尿病が心配で受診。
BMI 19.1と、痩せ傾向。
子宮筋腫あり筋腫核出術の既往あり。
婦人科で以前鉄剤(フェロミア錠、インクレミンシロップ)を処方された事があるが、胃痛で飲めなかった。
心療内科と産婦人科に通院しているが、処方は無し。
食後45分の血糖値97、
HbA1c 5.2%
と糖尿病は無し。
動悸の症状強い。
心拍数 113回/分と頻脈あり。
心電図は洞性頻脈。
初診時の症状
症状は
・強い動悸
・胃もたれ
・「死んでしまうかも」という強い不安感
プロテインも胃部不快で飲めず。
初診時の採血
初診時の採血で、
血清鉄21、フェリチン6。
TSH、FT4、FT3は正常。
NT-proBNP 25と心不全無し。
ACTHもコルチゾールも正常。
BUN 21.0、Cr 0.54。
Alb 4.5。
コリンエステラーゼ 195(正常200以上)と低値。
当初は症状が非常に強く、
毎日のように御本人から電話があった。
初診から4日目
強い症状が持続。
心身症に保険適応のある「ガンマオリザノール」と、
自律神経調整薬の「トフィソパム」を処方。
フェルム処方したが
胃部不快感で内服継続困難。
鉄剤の注射を数回行う事に。
キレート鉄を取り寄せて服用する事にした。
初診から9日目
よく眠れるようになった。
症状が減ってきた。
初診から約1ヶ月
症状がほぼ消失。
キレート鉄36mgカプセルを1日3カプセル服用中。
トフィソパムも不要になった。
脈拍数も70~80回/分に低下。
プロテインが少しずつ飲めるようになったとの事。
血清鉄119、フェリチン32に上昇。
BUN 11.0、Cr 0.48。
BUNが21.0から11.0に低下していた。
初診から約2ヶ月
症状無し。
ガンマオリザノールも不要になった。
プロテインも1日2回飲めるようになった。
血清鉄135、フェリチン38。
BUN 14.5、Cr 0.50。
BUNは11.0から14.5へ上昇あり。
まとめ
タンパク質不足に加え
著明な鉄不足があった症例。
1ヶ月で概ね症状が消えた。
タンパク質と鉄、非常に重要なのが分かる良い症例。